学生指導に思う

 私が学生の頃、学生指導なんてのはあったのだろうか?


 1、2年の時は、クラスがあってクラス担任も存在したが、形式的なものだった。1年の時、友人たちとクラス担任の研究室を訪ねて話したことがあるが、早慶戦で授業を休んだ言い訳(早慶戦が月曜日に行われても授業は休講にならないのであった)をしに行ったのであって、勝手に我々が押しかけ、早慶戦に行って休みましたと言っただけのことであり、呼び出されたわけでもないし、指導を受けたわけでもない。ちなみに一緒に行った友人の1人の姿をたまにNHKで見かける。「先生のクラスの学生です」と、研究室を訪問された教員こそいい迷惑であったと想像する。実際、戸惑った表情が伺えた。もっとも紳士的な先生だったので、迷惑そうな顔をせず、コーヒーでも取ろうかと声をかけてくださった(が、遠慮した)。

 一度、民間の財団の奨学金に応募したとき、当時の教務主任(かな?)に会って推薦状を書いてもらったことがあり、そのときにその先生からいくつかアドバイスをもらったことがあるが、これもこちらが奨学生に応募したからであって、呼び出されたわけではない。大学院に進学するときには、ゼミの先生に相談したが、これもこちらから相談しに行ったのであって、呼び出されたわけではない。

 成績が悪いわけではなかったので、成績不良で呼び出されることもなかった。しかし、授業料未納だったら連絡は行ったと思うが、当時は成績不良学生だって呼び出されたりしなかったのではないか?

 今は成績不良だと呼び出して指導しなければいけないし、うちの学部では成績優秀でも呼び出していろいろ意見を聞き、さらに勉学に励むよう指導している。就職の指導なんかも教員の仕事になりつつある。

 最近また大学生が関わる事件が増えているが、さまざまな事件を予防するために、学生をしっかり指導しなくてはいけない、なんてことが教授会あたりで議論されることになるんだろうな・・・。