というわけで・・・

 宿題を出してもやっていない生徒に対して、毎回説教をしていた家庭教師である私は、生徒の術中にはまっていたことになる。一生懸命話せばわかってくれる、きっと勉強してくれると信じていた私は、青かった。説教などせずに、どんどん問題をやらせていればよかったのだった。

 どのみち彼の親も本気ではなかったのだから、成績が下がらなければそれで構わなかったのだ。

 学生が家庭教師や塾教師をやると、ついつい必要以上に頑張ってしまうことがある。アルバイトということを離れて、教育に情熱を注ぐことになる。それもいいのだが、子供の性格、親が本気かどうかをきちんと見てから関与した方がいい、と今になって思う。