昨日の話題(2)

 話題があちらこちらに飛んで、岩倉使節団の米欧回覧の話になった。
 歴史を専門にしている研究者が「米欧回覧記の記述では、フランスが日本に似ているという記述がある」と言う。
 彼によれば、当時の日本社会はかなりルーズなところがあって、勤勉、謹厳実直といった日本人像は、その後につくられたものであるという。だからフランスに行ってラテン的なややルーズなスケジュールの進行、フランス人の行動様式に共感を覚えたのではないかというのである。興味深い。
 岩波文庫の米欧回覧実記は途中で読みかけで、すでに数年が経過しているが、キチンと読み直そう。ちなみに今では考えられないが、使節団は出立前に三日三晩どんちゃん騒ぎをしている。

 ペリーが浦賀に来たときの話もおもしろかった。当時の人々は実に好奇心旺盛で、これが欲しい、これを買わないかといった調子で、これらの人々にペリーが閉口していたという記述が遠征記にあるという。

 研究会で文化とアイデンティティということが話題になったので、お茶を飲みながらの話もこういう流れになった。きわめて刺激的だった。歴史についてきちんと学ぶ必要がある。