受験生の疑問に答える・・・

 元気な(と言っても肩こりのようだ、お大事に!)受験生konatyanさんの疑問(id:konatyan:20061210)に答えてみる。

 私大の先生に一言、学生の学力嘆く前に入学試験の国語の問題見直したら?全部マークとかヤル気なさげな選択肢とか・・・・・・やっぱし国語の問題ぐらい記述にした方がいいと思うよ。採点で楽したいだけなんじゃないの?センターの現国の点数で足きりするだけでもだいぶ学生の学力上がると思うけど。

  • 「ヤル気なさげな選択肢」について

 国語の出題はどこの大学でも文学部、教育学部以外は大変だ。国語の出題が可能な人間を教員としてほとんど抱えていないから・・・。結局、文学部の教員や他学部の国語出題可能な教員の力を借りて問題を作成する。私立の場合、受験科目は少ないが、国語は英語とともにほぼすべての入試で出題科目に指定される。少ない人数で、多くの問題を作成しなければいけない。どうしても良問が少なくなってしまう。

  • 「全部マーク」の問題

 マーク試験の採点は本当に楽だ。以前、入試の委員をしたときに、採点に立ち会ったことがあったが、あっという間に採点が終わった。マークミスで答案がはじかれたときはちょっと面倒で、これは手作業で修正をしたりするので、ちょっと時間がかかる。しかし、手作業で採点して、得点を集計して・・・などという作業とは比較にならないほど、短時間で終わる。そういう意味では「採点で楽したい」ということになるのだが、実は記述式にすると「採点ができない」のである。正確に言うと、国語が専門の教員がほとんどいないので「採点できる教員がいない」のである。無理に採点させることはできるが、採点基準を作るのは大変だし、厳密に採点しようとすればするほど、「これはどうしたらいいですか?」、「これは何点あげればいいのでしょう?」なんて質問が出まくる。といって、個々の教員の判断に任せると、厳しく採点する教員、甘く採点する教員がいて、公平性を欠く。推薦入試では複数教員で採点することをするが、それは受験人数が少ないからで、一般入試でそれをやるのはちょっと無理・・・。

 以上、業界事情から元気な受験生の疑問に答えてみた。