あの日に帰りたい・・・

 荒井由美が『あの日に帰りたい』を歌ったのは、1975年。私はTBS系のドラマ『家族の秘密』の主題歌として、聞き、この曲で、荒井由美という名前を知った。

 『タイム・トラベラー』が放送されたのは、『あの日に帰りたい』がヒットする3年前、1972年のことだ。放送された、あの日に帰って、『タイム・トラベラー』を見たいとずっと思っていた。その希望が、最終回だけだが、昨日、かなった。

 昨日、アマゾンから届いた『NHK少年ドラマ・アンソロジー1』を再生した。懐かしい城達也のナレーションの後、島田淳子が現れた。


 島田淳子を見て感じたのは、違和感だった。正直、こんなにふくよかな、まん丸の顔だったとは・・・。健康と言えば健康だが、それにしても・・・。こんなに太った女の子に魅力を感じていたのか・・・。

 おそらく1972年の少年と2006年の中年の私とで、少女に対するイメージあるいは女性の好みが変化しているのだろう。いや、それは社会全体のイメージ、好みの変化かもしれない。

 今から34年前の中学3年生(島田淳子演じる芳山和子は中学3年生の設定)は、今よりもはるかにふくよかだったのだろう。太っていることを気にする女の子はいただろうが、むしろ中学生の頃は太っていて当たり前なんだ、それが健康なんだという意識の方が強かったのでないか。ダイエットなんていう言葉は、少なくとも中学生は口にしていなかったと思う。

 それでも、まん丸に見えるのは、保存状態が良くないビデオのせいかとも思ったが、ケン・ソゴルを演じた木下清は当時そのままスリムだったから、関係ない。

 出演者全体の力の入った、きまじめな演技はNHKのドラマらしさを感じさせたし、新聞社のカメラマンのカメラに時代を感じた。

 清掃のおばさんが27年前にタイムリープし、それを和子とケンが追いかける場面があった。1972年から27年前は1945年。まだ戦争中の空襲警報が鳴り響く病院の場面だ。1945年から1972年までの時の経過以上に、1972年から2006年の時の経過があるのだ。

 『あの日に帰りたい』、あの日に帰って、島田淳子に会いたいと思っていたが、思いがかなってよかったのか。見終わった直後は、そう思ったが、1日経って、やはりよかったと思っている。