続・続・続・製本バイト

 夕食後の休憩もそこそこに、6時半から再開された製本作業。

 いつもなら8時には終わっている。が、その日は終わらない・・・。終わりが見えない・・・。

 いつもなら9時にはバイト代を受け取っている。が、その日はいつもらえるか、わからない。終わりが見えない・・・。

 いつもなら10時にはアパートに帰っている。が、その日はいつ帰ることができるか、わからない。終わりが見えない・・・。

 日付が変わった・・・。終わらない・・・。

 静寂の中、製本の機械音が工場内に響く。機械は動き続け、われわれも作業を続けた。作業再開後、6時間が経過した。休憩は・・・ない。

 1時を過ぎ、2時を過ぎ、3時を過ぎ、意識が朦朧とする中、働き続けた。

 あたりが明るくなってきた。

 4時半、とうとう機械が止まった。終わった・・・。前日の6時から22時間半、夜6時からは8時間の連続作業・・・。へなへなと座り込んだ・・・。

 さすがに申し訳ないと思ったのか、製本工場の方で近くの旅館を手配してくれ、われわれはそこで汗を流し、仮眠をとり、朝食をとることができた。風呂に入って、汗とほこりまみれの身体は、さっぱりしたが、これほどまでにハードな作業になることも泊まりになることも予想していなかったから、着替えなど持っていなかった。さっぱりしたのは一瞬だった・・・。

 22時間半労働の結果の3万円ほどのバイト代を持ってボロアパート(と言っても、下北サンデーズの寺島玲子のアパートとは異なり、部屋にキノコは生えていなかった)帰ったのは、昼近くだった。アパートに帰って、とにかく寝た。

 住宅情報誌は予定日に発売された。