裏の話

 先日(7月21-23日)、学部学生時代の夏休みに製本のアルバイトをした話を書いた。実は私がアルバイトをした製本工場には裏の顔があった。


 私が手伝った製本は、週刊の住宅情報誌だった。ところが、製本工場では、裏本も製本しているという噂があった。ベテランのアルバイトの話だった。

 是非、やりたい!と、友人が言った。

 しかし、住宅情報誌の製本には声がかけられるが、裏本のときには声をかけられない。それとなく話を振っても社員はとぼけている。

 まあ、当然だろう。まず、発行部数が違う。アルバイトを雇わずとも、製本は可能だろう。もう1つは、堂々とアルバイトを募集できるような製本ではないという理由だろう。よく知らぬ学生アルバイトを使って、友人その他に吹聴され、摘発されでもしたら、商売上がったりだ。仕方がない・・・。

 一度だけ製本し損ねたページを休憩中に工場内で見つけたことがある。しっかり見ようと思ったら、仕事が再開してしまった。裏本工場である証拠を見つけたのは、それが最初で最後だった。