続・続・製本バイト

 2時間ほどぼんやり過ごしたあと、仕事が始まった。お盆休み明けの号なので、届けられた印刷された紙束の山はいつもよりはるかに多い。それらを小分けして、製本の機械にセットしていく。いつもよりページ数が多いから、各人が担当するセットアップ箇所も多くなる。ぼやぼやしていると、紙がなくなり、機械が空回りして、止まってしまう。

 完成品の住宅情報誌も電話帳のように分厚い。当然、重い。いつもと同じ冊数では持ち上げることはできない。少ない冊数で運んでいくから、時間がかかる。疲労も激しい。

 それでもお昼ごろはまだ余裕だった。1時間の休憩を取ることができたからだ。出された弁当を食べ、お茶を飲み、横になることもできた。

 午後の作業が始まると、意識が朦朧としてきた。工場内は冷房なし。機械は休まず動く。こちらも休むわけにはいかない。それでもまだこの時点では余裕があった。3時に休憩することができたからだ。疲れてはいたが、この程度のことはすでに何回か経験している。

 6時に夕食。ここまではいつもと同じ。しかし、いつもなら1時間休憩できるのに、その日だけは30分。弁当を食べ、お茶を飲んだら、すぐに仕事に取りかかった。

 誰も文句を言わなかった。普段ならゴールが見えていい時間なのに、その日に限っては全くゴールが見えなかったからだ。

 6時半に作業が再開した。いつもなら8時には終わる・・・。