コートを着て

 カフェをはしごしながら勉強中。

 それにしても今日も寒い。あまりに寒いので、先日(11月14日)買ったコート(ライナーは付いているのだが、薄いせいか寒い)ではなく、厚手のウールのコートを着て出てきた。このコートは大学院時代に留学中に買ったものだから、もう14年ほど着ていることになる。さすがにくたびれてきたが、普段着る分には問題ない。厚手だから重いが、その分暖かい。

 留学中、唯一と言っていい高い買い物がこのコートだった。バーゲンシーズンも終わりそうな頃、街のセレクトショップで買い求めたものである。確か日本円に換算して35,000円ほどしたのではなかったか。40%オフぐらいだったから、バーゲン前には60,000円ぐらいか。日本で買い求めていたら10万円はしたと思う。

 「貧乏人は高いものを買え!」とは、うちの年配の同僚の口癖だ。高いものの方が長持ちして、結局は安く付くからだ。その通りだと思う。その通りなのだが、あまりに貧乏だと、高いものを買ったらその日から食べるものを買う金がなくなってしまう・・・。

 6万円のコートを高いというと反論はあろうが、貧乏留学生には十分高かった。バーゲンで安くなっていても、買うときはかなりの覚悟が必要だった。それでもこのコートは買ってよかった。10年は着られると思ったが、それ以上持っている。何よりも暖かい。留学中の寒さからこのコートは身を守ってくれた。コートを買って、財布はいっそう寒くなったが、このコートを着れば身体は暖かくなったし、心も(少しだけ)暖かくなった。