「はやぶさ」と少年の夢

 地球から約3億キロ離れた場所にある小惑星イトカワに向かった探査機「はやぶさ」の消息が、ここ何日か、気になっている。

 今朝、イトカワに着陸することになっていたが、途中で信号が途絶えた。幸い、通信は復活したというが、着陸したかどうか、この記事を書いている時点では不明のようだ。

 「はやぶさ」は一部の姿勢制御装置が故障している。さらに、イトカワに向けて、「はやぶさ」が投下した小型探査ロボット「ミネルバ」も行方不明のようだ。イトカワへの着陸も延期されて、今朝になった。トラブル続きだ。

 小さい頃、夜空を見上げて、宇宙旅行を夢見た人は多いはずだ。いや、ほとんどがそうだろう。SF映画、ドラマ、アニメなどが、少年、少女の宇宙への夢をかき立てた。

 着陸時だけ通信が途絶える、「ミネルバ」が行方不明など、下手なSFよりもずっと手に汗握らせる。ひょっとしてエイリアンが・・・などと、元少年の妄想もかき立てられる。そう考えても、SF映画の見過ぎだと、簡単に片づけられない宇宙の神秘と魅力がそこにある。

 厳しい条件の中で、イトカワへの着陸と砂や岩の破片などの試料採取、さらにそれらの地球への持ち帰りが「はやぶさ」の使命だ。

 夜空を見上げ、宇宙旅行を夢見た元少年は、頑張れ「はやぶさ」!とエールを送る。