自動改札機に挟まれて考えた

 バンコク高架鉄道BTSは快適だ。車内は冷房が効いているし、音も静かだ。高架だから見晴らしもよい。超近代的なバンコクと発展途上のバンコクの両方が車内から見渡せる。

 ただし自動改札機は要注意だ。日本で導入されている自動改札機は、乗客が立ち止まらないようにするためだろうか、手前で切符を入れ、歩いていって、すでに取り出し口に出ている切符を取っていく。正しく切符が入れられれば、ドア部は開いて乗客が通るのを待っている。

 バンコクBTSの自動改札機は日本のものと異なる。改札機の手前部分で切符を入れるとすぐに切符が出て来て、切符挿入口あたりに設置してあるドア部が開く。ところがこのドア部が乗客が通るのを待ってくれない。すぐに閉まってしまう。切符を取って、さあ通ろうとなどと思っていると、挟まれてしまう。切符を取ったら、素早くドア部を抜けなければいけない。おまけにこのドア部がまた強力で、挟まれると自力で抜け出せない場合もある。ドア部に挟まれて必死にもがいていて、哀れに思ったタイのおばさんに助けられた日本人は多いはずだ。少なくとも1人はいる。私だ。

 日本の自動改札機のドア部は前後に開き、それほど強力でないから、簡単に通り抜けられる。大きな駅では強行突破でキセルをしている乗客をかなり見かける。あれがバンコクのドア部のように左右に開き、なおかつ強力なものだったら強行突破は難しいだろう。

 日本の場合、ドア部を強力にするとけが人がかなり出ることが予想されること、またその場合の面倒(場合によっては裁判沙汰)を回避するために、わざと強力にせず、強行突破を可能にしていると聞いたことがある。本当だろうか。