レポートへのコメント

 学生に課すレポートには簡単なコメントをつけて返す。講義科目のレポートでは無理だが、ゼミならば1学年10人程度なのでコメントをつけることも可能である。1人ずつ呼び出して、返却しながら、コメントを補足する。

 とはいえ、たまにコメントのつけようのないレポートに出くわす。最近は学生をあまり傷つけないようにと、何とかコメントをつけようとするが、以前は大きく×をつけて、「バカなことを書くな!」とだけ書いたこともあった。ひどいことをやっていたなと思うが、数年前までは、こういうやり方でも学生は頑張ってついてきた。今はダメだ・・・。

 ちなみに、「バカなことを書くな!」と書かれたある女子学生は、就職活動のときにゼミの話題になって、「一生懸命やったレポートにバカなことを書くなと書かれた」ということを面接相手に話した(というか訴えた)とのこと。面接相手も「それはひどい、かわいそうだ」と同情してくれたらしい。もっともその企業から内定をもらえたかどうかは知らない。

 この女子学生がいた頃は、新書を1冊読んで、レポートを書くという作業を毎週(といっても3年の前期だけだが)やっていた。「バカなことを書くな!」と最初は書かれた彼女も回数をこなすうちにまずまずのレポートが書けるようになった。