おもしろい分科会、つまらない分科会

 今日の分科会の成功要因はなんと言っても報告者、討論者の人選にあるが、同時に彼らが事前に入念に準備してくれたことによる。

 分科会のテーマを、報告者はそれぞれの視点で的確に捉え、要点を押さえた報告をしてくれたが、25分以内という制限をきちんと守り、その中でバランスよく報告するというのは事前の入念な準備があってはじめて可能となることである。
 討論者は、時間的に制約された報告をさらに広げ、深める質問、分科会のテーマを掘り下げる質問をしてくれたが、これも事前にしっかり報告論文を読んでいた結果である。

 それに対して、つまらない分科会もある。たいてい報告者がダラダラと時間をオーバーして報告する。最後の方は、駆け足で尻切れトンボ。
 討論者も報告にたいしてコメントするのではなく、自説を延々と説いていく。分科会全体が散漫、冗長になり、出席したことを後悔するこの種の報告は、報告者、討論者いずれも準備不足の場合に起こる。

 おもしろい分科会にするか、つまらない分科会になるかは、報告者、討論者の準備に多くを依拠する。