「民」について

 昨日書いた「官と民」の記事だが、官ばかりで民の方は触れていなかった。
 民という漢字の成り立ちを知っているだろうか?
 もし手元に漢和辞典があれば調べて欲しい。

 手元の電子辞書に搭載されている『漢字源』(学研)によれば、民は以下のような意味を持つ象形文字だという。

ひとみのない目を針で刺すさまを描いたもので、目を針で突いて目を見えなくした奴隷をあらわす。のち、目の見えない人のように物のわからない多くの人々、支配下に置かれる人々の意となる。
 ということなので、民というのは、物がわからない、あるいは物がわからないようにされた、支配される人々ということになる。

 民主主義というのは、一般には人々が自らを治めていく政治と理解されるのだろうが、物のわからない人々が治めていくとするならば、それがときに暴走するのも理由のないことではないだろう。
 もっともdemocracyを民主主義と訳していいかどうかは、別に考えなければならない問題ではあるが。