眠る学生

 睡眠をとることは疲労回復になるいいことなのだが、なにも授業中にとる必要はない。とはいえ、実際にはほぼ毎時限眠る学生を見ることになる。
 微笑ましいのは、一生懸命ノートをとっていた学生が、気力はあるのだが、眠気に耐えきれずこっくり、こっくりしている姿だ。鉛筆はしっかり握って、離さない、そこに、授業を聞かなければ、ノートをとらなければ、という意志が感じられる。が、力尽きた・・・
 見苦しいのは、授業を聞き続けることを早々に放棄して、上半身を机に投げ出している姿だ。両手を枕にしているのはまだしも、前に投げ出して、横面を机に押しつけて、場合によっては、口を半ば開けて、よだれを垂らしている・・・

 私の場合、基本的に寝ている学生を起こすことはしない。例外はノイズを出している場合である。これは回りの学生に迷惑だからだ。
 それに授業中に寝てしまう学生の多くは自己嫌悪に陥るからね。ノートがブヨブヨになっていたりする場合もあるし、おでこを赤くして「私は授業中に寝ていました」とみんなに知らせて歩くことになる場合もある。こっそり寝ていたつもりなのに(見えているけどね)、教師にバレバレになるし。
 というわけで、基本的に寝ている学生のことは気にしないのだが、

 先週の木曜日の2限目に、前から2列目に座っていた学生、君だ!君の寝方はけしからん、最初から教室を就寝場所と勘違いしているような寝方だ、力尽きたといった風が全然見られず、はじめから寝てやるという態度だった(実際、授業開始直後から寝ていた)。だいたい教員を目の前にして(1mぐらいの距離だ)、こちらが話しているのに(途中で起きあがっていったんノートを取り出した)、ノートをどけて(よだれがかからないようにして)、両手を前に投げ出して、堂々と寝るんじゃない!もう少し後ろの席で寝なさい!

 さすがに授業終了後に注意しようと思ったのだが、学生の質問に答えていたら、姿が見えなくなっていた。