インプットとアウトプット

 研究者としていい論文を書いていく(アウトプット)ためには、さまざまな先行研究、関連論文、資料、データに目を通す(インプット)ことが必要である。
 何かを生み出すためには、いろいろなことを知り、考えることが必要がある。しかし、こういった作業を行うためには、時間が必要である。多くの大学教員が抱える問題は、こういった時間を確保できないことである。
 もちろんほとんどの教員は論文を書き、本を出版し、場合によってはテレビ、ラジオで発言するなど、アウトプット活動を行っている。しかし、彼らがそのアウトプットのために、十分なインプットを行っているか、そのインプットをもとに十分に思料、思考しているかとなると、疑問符が付けられる。
 多くの文献に目を通し、さまざまな考えに触れ、知の世界の渉猟を楽しむ、という大学人の理想生活を実現することはまず不可能である。不可能であるが、何とか時間をつくりだして、知の世界に触れなければならない。そうでないと、研究だけでなく、教育の方も陳腐なものとなる。
 というわけで、知の世界の渉猟にはほど遠いが、今日は家で買っておいた未読の本を読み、インプット活動の日とすることにした。