授業が終わって

 授業が終わってバスに乗った。後方の2人掛けのところに1人で座った。 途中の停留所で、女子大生2人が乗ってきた。一緒に座れる席がなかったので、前後に分かれ、1人が私の横に座った。いや別に女子大生が横に座ってうれしかったというのではない。女子大生にはいつも囲まれているのだ。もちろん仕事で、つまり教室でだ。

 彼女たちが乗ってくる前に、小学生が2人乗ってきていて、ななめ前方の2人掛けの席に座っていた。キャッ、キャッ子供特有のかん高い声を出して騒いでいる。ふざけて1人がもう1人をたたいているようだ。
 「たたいちゃだめだよ」、「なかよくしな」、いきなり隣の女子大生が声を発した。
 いったん静かになった小学生だが、しばらくしたらまた騒ぎ出した。
 「しずかにしな」、「めいわくだよ」、さっきより強い調子で女子大生が注意した。

 今度は静かになった。たたいていた方はとくにシュンとなった。さっきの騒々しさと対照的で、それが子供らしく、かわいらしく、またおかしかった。

 久しぶりにワセ女を見た気がした。