大学は君たちを待っている

 nikkansports.comの、福島の大学志望者14%減、の記事が目に止まった・・・。

  ベネッセコーポレーションが6月に実施した全国模擬試験の受験者のうち、福島県内の大学を志望する人数が昨年同期に比べ14%減少していたことが24日、分かった。宮城県内の大学志望者も8%減、岩手も7%減だった。


 6月の試験結果をもとにした調査なので今後変化があるかもしれないということだが、震災、原発事故の受験への影響は否定しようがない。

 津波で家を流され、親しい人々を失った、避難している。大学へ行く余力はない、復興のためにすぐに力を尽くしたい。学費を出せない。

 さまざまな理由で大学への進学を断念している現役生、浪人生がいることは想像に難くない。

 しかし、もし、君たちが3・11前に大学へ行きたいと思っていたのなら、その気持ちを変えることなく、進学してほしい。君たちが、社会を、日本をよくしたいと思っているのなら、悲惨な、つらい体験を、大学での勉学を通して、ぜひ生かしてほしい。

 大学での勉強は、直接的にがれきを片づけることにはつながらない、原発事故を直ちに収束することもできない。しかし、社会科学、人文科学、自然科学の各分野を通じて、5年後、10年後、30年後、50年後の、よりよい社会、よりよい日本、よりよい世界をつくることに資する。

 多くの大学は、被災地の学生に対して授業料の免除等の支援をする。われわれ教員も君たちを支援する。

 初志を貫徹して、大学へ進学してほしい。

 大学は君たちを待っている。