手土産

 日本から離れて海外に住んでいる知り合い、たとえば在外研究に出ている研究者に現地で会うということになると、たいていは日本からお土産を買っていくことになるかと思うが、何を選ぶか、選んだらよいか、これが存外難しいように思う。


 日本から離れているということで、たいていはお茶とか梅干しとか漬け物といった日本の食材が手土産として思い浮かぶが、食材というのは好き嫌いがある。きわめて親しい友人の研究者であれば好き嫌いは知っていたり、あるいはメールで問い合わせることもできるが、そこまで親しくない研究者の場合、好き嫌いは分からないし、問い合わせのメールを送る手間をかける必要があるか、問い合わせをしたところで「いえいえ、お気を遣わずに」的な返事が来たら、これも困る。といって、スーツケースに入らないぐらいの食材を買ってきてくれなどという注文が来ても困る。

 というわけで、今回、日本を出るときにちょっと頭を悩ませたのであった。