書店のポイントサービス

 asahi.comに、広がる本屋のポイント制 期待と不安が交錯の記事。

  買い物のポイントを金券や景品類に交換できるサービスが、再販制度によって値引きが不可能な本屋さんで、じわじわと広がっている。出版業界全体が落ち込むなか、「お楽しみ程度の読者サービスは不可欠」というのが推進側の言い分だが、利益率が低い書店にとっては1〜2%程度でもコスト負担は重い。「再販制度を揺るがしかねない」という声も根強く、期待と不安が交錯している。

 ポイントサービス推進派によればポイントカードの会員は非会員より購入冊数が多くなり、購買履歴を把握したり、地域特性に合わせた品ぞろえが可能になったり、会員向けのメール送付により販売促進が可能になるというメリットがあるようだ。

 他方で、ポイントサービス反対派によれば、ポイントサービスは「事実上の値引き」で、再販契約に違反するという。ポイントサービスによる競争激化によって書店経営を圧迫するという不安もあるようだ。


 顧客のニーズを把握した品ぞろえというのは、とくに地域の中小書店にこそ必要なことのように思う。記事にもあるが、コンビニや家電量販店でも本が買え、ポイントがついたりする。書店の競争相手は書店だけではない時代だ。加えて、オンライン書店も存在する。

 しかし、地域の書店、中小の書店が生き残ることが、地域文化を発展させ、地域を活性化させることにつながるのではないか。売り場面積が狭いからこそ、顧客管理をしっかりして、顧客を満足させる品ぞろえをすべきだろう。取り寄せ本の場合は、ポイント付加率を上げるといったサービスも考えられる。低利益率と導入コストは厳しいだろうが、しかし、書店生き残りのためにはポイントサービスの導入を考えるべきだと思う。