別れ方・・・

 月曜日に訃報に接して、本来なら通夜、葬儀、告別式に参列していなければいけない。それが昨日も、今日ものんびり過ごしているのは、訃報を受けたときには一切が終わっていたからだ。


 訃報とともに聞いたのは、お葬式が近親者だけで執り行われたという報告だった。弔問、香典、供物、供花等は、一切拒否。そっとしておいてほしいというご遺族のお考えもあるのだろうが、おそらくは故人の遺志であろう。生前、「一切拒否」と何度ともなく冗談めかして言っていたからだ。しかし、実行するとは・・・。自分のことで、いろいろな人に迷惑をかけたくないという思いもあったろう。最後の姿を見られたくなかったのかもしれない。さまざまな意味で、そこに故人の美意識、美学がある。

 一つの別れ方だ。故人は華美を嫌っていたし、そのような葬儀は似合わない。故人の遺志は尊重しなければならない。

 しかし、遺されたわれわれは、あまりに寂しい、あまりに悲しい、あまりに切ない。

 最後のお別れをさせてほしかった・・・。