ニューハーフとIT企業

 夕方のニュース番組を見ていたら、あるニューハーフを取り上げていた。海上保安庁に勤めていたのだが、「女性」として生きていくことを決意し、ニューハーフバーで働く。ところが、そこをやめて、今度はIT企業で働くことにしたという。しかし、なかなか採用してもらえない。「彼女」は女性の求人に応募しているからだ。電話で問い合わせしても門前払い。もちろん求人する側もまさかニューハーフが応募してくるとは思っていないから、仕方がない。戸惑いながら応対し、気を遣いながら断っているのが、よくわかる。担当者も初めての経験だろうから、それは戸惑うだろう。

 そんな「彼女」がIT企業に就職できたという。果たしてどんな会社か?と、ここでCMが入った。


 「彼女」が就職した会社は新興のIT企業。何と社長がニューハーフ。役員にもニューハーフがいるという。なるほど、これなら「彼女」の就職も問題ないわけだ。

 これだけなら単なる際物的な扱いである。しかし、社長の話を聞くと、なかなか奥が深い。これからの社会のあり方について、示唆的な発言が飛び出した。