ゼミ論を出さない・・・

 ほぼ毎年のようにゼミ論を提出しない学生が出てくる。1つの理由はカリキュラムに問題があって、うちの学部の場合、「4年ゼミナール」の単位と「ゼミナール論文」の単位が別になっている上に、どちらも必修でないからである。したがって、ゼミには入っているものの、論文を提出しない学生が出てきても仕方がないのである。

 ゼミ論を提出させるために、ゼミの単位とゼミ論の単位をセットにして成績をつける教員もいる。ゼミ論を提出しない学生にはゼミの単位も出さないことにするのである。もちろんあらかじめ学生には伝えておく。私もこれまでそうしてきたのだが、それでもゼミ論を提出しない学生が出てくる・・・。

 これもカリキュラムに問題があるのだが、3年終了時に卒業に必要な単位がとれてしまっているから、ゼミの単位は(卒業のためには)必要ないからである。

 こうなると、あとは教員と学生との信頼関係に頼るしかないのだが、私の場合はこの関係をうまく構築できないことが多く、どうしてもゼミ論を提出しない学生が出てきてしまう。・・・。コンパやゼミ合宿で信頼関係を築いたつもりだったが、「つもり」で終わることが多い。

 ゼミの単位とゼミ論の単位をセットにするという方針を打ち出しているし、実際にゼミ論を提出する学生もいるので、ゼミ論を提出しない学生にゼミの単位だけ出すというわけにもいかない。

 せっかく2年間、ゼミやコンパ、合宿を一緒に過ごしてきても、それらは苦い思い出に変わってしまう。当然、卒業してからの連絡はない。私としては楽しくない経験である。

 何とも思わない(元)学生もいるかもしれないが、多くは苦い思い出になると思う。そういう思い出を持つことも人生において必要だと思うが、それは別の機会にしてもらえると、教員としてはありがたい・・・。