問題をつくる

 6月19日にも書いたが、院生の頃、予備校の模擬試験問題をつくるアルバイトをしていた。
 解説を含んで作問料は科目で1題5万円、特定大学の論文形式の問題は10万円ほどだった。

 科目の試験を作成して大変だったのは、選択式の問題の誤答作りだった。
 「下線部に関連する説明として正しいものを選びなさい。」という問題を出して、選択肢を1〜4(あるいは5)用意する。正解の1つはいいのだが、残りの3つ(あるいは4つ)は誤ったものを用意しなければならない。正しい記述は教科書にも、参考書にもあるから問題はない。誤答は問題に即してオリジナルなものを用意しなければならない。簡単すぎてもいけないので、結構、頭をひねらなくてはならない。選択肢が5つだと4つ誤答を用意しなければならないが、最後の4つめが出てくるまでに時間がかる。何しろ普段正しいことを追究していて、誤っているものをつくるなんてことをしていないから大変なのだ。

 逆に「誤っているものを選びなさい」という問題の時は、誤答を1つ用意すればいいので楽なのだが、こちらの形式の問題は推奨されていなかったように記憶する。

 受験テクニックとして、選択式問題の正解は記述の一番長いものと一番短いものにあることが多いということが知られているから、問題文の長さをなるべく同じようにするなどの配慮もしなければいけない。いつも締切ぎりぎりまでかかっていたような気がする。いや、ときどき締切を過ぎて担当者に迷惑をかけていた。

 何となく昔のことを思い出した。