教員と学生との奇妙な関係(1)

 昔、と言っても、私が学生の頃だが、大学教員は威厳のある、怖い先生だった、少なくともそう観念されていた。もちろんそう思わなかった学生もいたが、たいていは教員と直接話すことはほとんどなかったし、ゼミ運営の相談、進路相談などで話をするとき、しなければならないときには、緊張しまくっていた。
 
 だから、昨日書いた記事のように、
 「先生、もう一度説明してください。」(「え!?」)、
 「先生、ノート貸してください。」(「はあ?」)
などと言うことは、われわれの時代には考えられなかったし、ありえなかった。教室にいる(友人でなくても)学生に聞く方が圧倒的に気楽だった。

 もちろん友達がいれば話は別で、ゼミのコンパでは教員の隣、正面の席は、今も変わらずたいていハズレの席で、最後に埋まることになる。
 知らない学生よりも毎週顔を合わす教員の方が心理的な抵抗が弱いということなのだろう。だからといって、教員が彼ら学生から信頼されているわけではないので、さらにいろいろと問題が出てくることになる。

続く(はず)