英書を読むときの注意(1)

 6月16日の記事「英語を読む」で、「専門書を読むためには英語力だけでなく、専門的な知識も必要」だと書いた。

 昨日の大学院の授業で感じたのは、専門的な知識が英語を正確に読み取ることを阻害することがあるということだ。どうしても自分が持っている専門的な知識(と教養)に引きつけて、あるいは引きずられて、英語を読んでしまう。その結果、意味が通らなくなる。わかったような、わからないような訳をつくる。わかったような、わからないような訳をつくるのは、結局わかっていないからである。わかっているなら、きちんとした読める日本語になるはずだ。また、そうしなければならない。

 専門的な知識は正しく動員しなければいけない。間違って動員すると、思い込み、憶測で読むことになり、とんだ誤訳をしてしまう。専門書では、英語の専門用語は日本語でも専門用語として訳すことになるが、だからといってその英単語が他の意味で使われないわけではない。自分が知っている意味で通らなかったならば、必ず辞書で確認する習慣をつけたい。

 何回かに分けて、英書を読むときの注意を思いつくままに書いていく。